Aria Salon Concert「文明開化の音」 時空と共感と興味
今までこんなに長く教室ブログを空けたのは初めてです。四ヶ月以上…(*_*;
話題は何かとあったものの、教室主催コンサートのため、まるで余裕のない状況でした。
今回のARIA Salon Concert(アリアサロンコンサート)は、当初の「発表会をもっと自然なスタイルで、親しみやすく」というシンプルなコンセプトだけではなくなり、思いの外、新しいことへの挑戦となりました。
まず舞台は、築105年前の明治時代の重要文化財の建物。アールヌーボーの室内装飾が施された、福岡市の赤煉瓦文化館にて。 『space-time 時空』
お客様をこちらからも見渡せるような平土間で少人数の部屋。演奏をする会というより、観客と皆で音楽の時を過ごす会。 『sympathy 共感』
演奏の上手下手だけに傾きがちな聴き方から方向性を変え、聴き手にその曲の背景を伝え、プログラムに書かれているタイトルだけではわからない、一歩踏み込んだ関心を誘う。『interest 興味』
これらの変化は作れたように思います。
クラヴィアハウスの発表会は今まで、ホールのステージが基本で、まぁ、それはどの演奏会も大抵そうなのですが、ちょっとcoldな空間なのです。それを払拭しました。
それともう一つ「映像を使わない」アンプラグド!(発表会中で変化に飛んだ企画をしよう!となると、画像をスクリーンに照射して…という、クラヴィアハウスお得意のストーリー仕立てパターン←過去の不思議の国のアリスのような)からの脱却も心にありました。そもそも映像など、この部屋には似合いません。
用意したのは少年時代のモーツアルトのポスターと、ピアノとまた違う角度から心に光を差すような弦楽器の音。 この弦楽器のゲストを迎えられたのが、今回の大変大きな特徴でした。
それもヴァイオリンとチェロという豪華版です。
しかも、こどもたちのコンサートには最適の先輩年齢、中3と高2、はたまた男子とあっては、申し分ありません。
なぜか『女の子限定のならいごと』と誤解されがちな、この世界に、高校受験を間近に控えた男子学生が、貴重な時間を失ってしまったかのような困った顔ひとつ見せず、参加してくれたのは、よくある一般的な考えからは異例といえましょう。そればかりか、ご両親も朝から完全サポート体制で、会を支えて下さいました。信条が一致する家族の和は、とても清新に映ります。
高2の男子君の方はまた、「鯉の滝登り」を地で行くような生き方をしていて、来年はドイツ在住見込み。今後チェロの世界でヨーヨーマになる可能性も秘めています。ユニーク且つ、迷わぬ意見の持ち主。お母様は、物柔らかで大変暖かな方、思い出す表情は心輝くような笑顔ばかりです。
こんな贅沢な周囲の応援こそが、このサロンコンサートの魅力につながったことは言うまでもありません。
殊に、その中心核となって動いて下さったChristian の紳士なくしては、成立しなかった部分がいくつもあります。氏には、痛切なまでに感謝です(←そんな言葉あるのでしょうか…?)
責任者、主催者の私一人でぴりぴりとなりがちな音楽会は、このように支えて下さった方々のお陰で、心底、「あぁ、この会をして良かった」と喜び、また誇れる会になったと思います。
その他、お手伝い下さったスタッフの方々のおかげで、出演者は安心して演奏できましたし、会も滞り無く終わることができました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
後日のブログにてこの日の「演奏」のお話をしたいと思います。