信念とすること
ピアノの入門 -私の考え方-
ピアノ教室・クラヴィアハウスでは、
自分で楽譜を読み、望ましい技術を手に入れ、生きた演奏へと導くこと、
これを大切にしています。
音楽好きの方に、弾いて上達することの楽しさを味わい、演奏を長年の友としていただきたいものです。
だからこそ、今日明日にでも結果を出そうと急がず、ゆっくり階段を上がっていきませんか?
学びにおいて、クラシックは特にそういう要素を持っている世界です。
柔軟性、しかし一方で大切にしてほしい頑固さ、ただ同時に気長であること、
ピアノには、そんなスタンスで取り組んでいきましょう。
★小さな入門者さんたちへ
こどもたちの背景にはいつもあたたかな家庭が見えます。
保護者様の励まし、毎回の送迎など、たくさんの愛と手間、忙しくても、演奏という技術を身につけてほしい!という応援を感じながら、私はピアノの指導者として、そんな将来ある子どもたちといっしょにピアノに向かっています。
授業はできるだけ楽しいものに!これが一番です。
笑顔はコミュニケーションを生み、コミュニケーションは信頼を生み、信頼はあらゆる問題点の解決の鍵になります。
子ども達の「なるほど!」の気づきを得た瞬間は、教え手にとっても一番幸福なものです。
時にたいへんなことがあっても、前向き姿勢でピアノという技術を積んでいきたいですね。
クラヴィアハウスの生徒さんに、私がまず身につけてほしいことは「読譜力」です。
楽譜を自分で理解する能力をつけるのはとても大切なこと。
世界共通語である楽譜に対して、-どの曲であれ- 読みとき、手がけることができる、するとその先に、たくさんのワクワクが君たちを待っているんです。
ところが、今はYouTube を聞いてコピーして、なんとなく弾けちゃう時代。
CDやママの見本にならうなど、昔からこのやり方はありましたが、今は、さらに気軽にそれができちゃいます。
しかも驚異的なテンポで弾いてくるので、腰を抜かすと共に、はは~ん、「ね、youtube、聴いた?」
このマネッコマスター法は、実はたくさんのピアノ教室でも横行していて、私はそれでよいのか警鐘を鳴らしたいのです。
子どもたち、けっこう弾けるわりに、実は楽譜をちゃんと読めていなかったり、リズムを正しく打てなかったりということは珍しくありません。まだ教え始めたばかりの新しい生徒さんの例で「先程の曲ではさらっと弾けていたはずの八分音符が、なぜ同程度のこの曲ではクエスチョンになるのだろうか…」などという不思議な事例を私はたくさん見てきました。
見本がなくなると一巻の終わりなんて、それ、せっかく学ぶにはもったいなくないですか。
ピアノ教室は、楽譜を自分で読める手伝いをして、それにはどんなテクニックが必要か、力添えしてあげる所だと私は思っています。
♪ 「読譜力」で作曲家がたくさん書き残してくれている情報を読み解く
♪ 「テクニック」は頭でわかっていることを器用に表現する手段
そして
♪ 楽譜というものを君たちのフィルタを通して、音として表現
これが「音楽性」とか「表現力」とよばれるもの
どれも簡単にはゲットできるものではありませんが、だれのマネッコでもないピアノ。
それをクラヴィアハウスはお手伝いしたいのです。
まずは足元(基礎力)をがっちりと固めつつ…ね。
それが実はピアノをこれからの長い楽しみとする一番の秘訣です。
★大人の入門者さんたちへ
大人の方のピアノ入門や再開の理由はさまざまですが、転機として、自らの意志でおいでになるケースがほとんどです。
そして大人の方の理解の早さはさすが。
拍子のしくみや音符の長さの計算方法は納得が早い…のですが、いざ演奏となると、指がいうことを聞かない、中々整わず、指摘されなくったって、歯痒い思いの試練はしばしば。
この「難儀な指の動き」の分厚い壁に、生徒さんに付き添って、少しずつ風穴をあけるのはピアノ教室の大切な役目です。
短いもので良いです。テクニック用の楽譜も取り入れ、同時進行でがんばりましょうか。
思ったよりも固まっている(へたすると錆び付いている)筋肉をほぐしていくと、少しずつ、少しずつ改善していくものです。
培われたテクニックは、ビタミンや骨、筋肉作りのようなもので、好みの曲をチョイスし、それだけやってきたのと比較すると、崩れ、それによる気持ちの動揺も、随分軽減され、確かで頑丈な演奏になります。
ホントです。特にそれは人前でのパフォーマンスなどの場で明白に感じます。
プライドは一旦棚の上に置いて、もう一回、一年生になってみる。
「踏み出す勇気」と「忍耐」にそこに「のんびり」まで加えて「おもしろがって」ピアノをやってください。
あ、そうそう「指の鍛錬」だけに終わらず「脳の柔軟体操」としても、ピアノは大変に理想的な楽器です。
私は、脳科学者ではありませんが、脳をぐるぐるとかき回して使っている感じが自分でもわかります。
クラヴィアハウス主宰者執筆